FAR夢ニップルの洗い方

夏休みの自由研究

今回はFAR夢ニップルの効率的かつ効果的な洗い方について、検証したいと思います。ニップルと家庭にある物だけでトライしたエセ科学なので信じるか信じないかはあなた次第・・・

今回の検証ポイントは「1、どこに汚れが溜まりやすいか。 2、現実的な範囲でどう洗えば楽に汚れが落ちるのか」という2点についてです。

私はまだギリギリ育休中なので、家にある素材でなんとかやってみようと思い、牛用の粉ミルクが家になかったので人用の粉ミルク(明治のほほえみ)と、汚れ探知マーカーには歯磨きチェッカーを使いました。

※ミルカー洗浄同様にニップルは酸性洗剤とかアルカリ洗剤とか使った方がいいと思うんだけど、うちになかったので中性洗剤を使ってます。

これな。
歯磨きチェッカーの作用機序を見ると、蛋白、糖類に溶けて色素沈着するそうなので、
ニップルの洗い残しの検知に使えるのではないかと考えました。
含有成分は水、ソルビトール、BG、リン酸2Na、クエン酸、香料、メチルパラペン、
サッカリンNa、ラウリル硫酸Na、赤105.以上。
BGってなんだ。EDTA-2Naとかラウリル硫酸Naあたりが有効成分で赤色色素で染める感じかな。

まずは構造

今回使うのはこちら。
うちの農場使用済みなので、ちょっと中の状態のバラつきは気になりますが、どれも同じ頻度、回数使ったものなのでそこまで違いはないと思われる。ニップルだけ送ってもらいました。
まずは解剖から。ニップルの半分を割ると、下に弁がついてます。
これが子牛にとっては機能するんだけど、洗うときは曲者、この弁の周囲が最も汚れが溜まると思われます。
ニップルの先端はこんな感じ。弁構造に比べたら、わりとさっぱりしていて穴が2か所あいている。
ニップルの吸う部分を完全に切り取ると、弁構造はこんな感じ。
弁を構成する2つの部位(口で言うと上唇と下唇?)はわりと薄いため
あまりにブラシなどをガシガシ突っ込むとここも消耗しそうだ

検証方法

試験系を考えるのは非常に大切です。

まずは歯磨きチェッカーが洗い残しの汚れを検知するのに使えるかを調べるためにも(本来、試験に使うのであれば事前に歯磨きチェッカーが洗い残し汚れ検知への使用が妥当か否かを検証して使うべきなのですがニップルの数に限りがあったためぶっつけ本番にて使いました)、ニップルの使用後、1)適当にちゃちゃっとゆすいだニップル(ゆすぐてきとう区) 2)すごく丁寧に濯いだニップル(ゆすぐ念入り区) 3)ナイロンチューブブラシと中性洗剤で洗ったニップル(直径1cmナイロンブラシ区) で洗浄度を比べてみたいと思います。

使ったナイロンブラシはこれ、直径1センチ。

職場で牛を飼っていただけで、わが家には子牛はいないので、まずは使用済みの哺乳瓶を再現するために、子供用ミルクを200ミリ作り各ニップルを3分間ニップル内をミルクを循環させました。3分というのはおおよそ1分あたり1リットル子牛が飲むと仮定して3リットル哺乳の場合を想定しました。

ニップル内をミルクを循環というのはこんな感じでやりました。

ミルクをお椀にいれて、ニップルの根本をお椀に沈めて哺乳瓶の先端を押して先端からミルクを出す、という子牛が飲んでいる状態というのを出来るだけ再現しようとするとこんな地味な感じになりました。。。
田中さんみたく哺乳瓶から自分で飲めばよかったのかもしれませんが
哺乳瓶のニップルだけ送ってもらったので瓶が家になかったんですよね・・・

こうしてミルクをニップルに3分間循環させた後、中にミルクを満たしたまま10分横にして静置(だいたいミルク給与してから飲み終わっても5-10分くらい他の子にミルクあげてたりしてそのままになることが多いと思うので)し、その後各試験区の設定で洗い、よく中の水を切って、縦にして12時間静置しました。

12時間の理由はおおよそニップルの使用頻度として1日2回、約10-12時間おきに使うと想定し、次回使う直前の状態で洗浄度を評価したかったためです。

洗浄:試験区設定 まずは3通り

各試験区の洗浄方法については以下の通り。

1)ゆすぐてきとう区

流しからぬるま湯を出して、直接ニップルの根元に直撃させ何度かニップルをシュポシュポ押して中に水を入れ押し出す、というのを行う。ニップルの先端から出てくる水が白く濁った水から透明になったら終わり。所要時間1個あたり10秒くらい。

適当、というのは私が一番得意で、、「1)ゆすぐてきとう区」はそんな私がちゃちゃ~っとてきと~に、中から出てくる水が透明になるくらいにゆすいだ区です。

2)ゆすぐ念入り区

所要時間は1個40秒くらいか

「ゆすぐ念入り区」は「ゆすぐてきとう区」の工程に加えて、またお椀にぬるま湯をはり、その中で何度もニップルを押してぬるま湯をニップル内に循環させて、汚れをなるだけゆすぎの力で落とそう、というものです。写真では片手でやっていますが、約30秒間、両手でニップルを押し続けニップル内をひたすらぬるま湯を循環させました。

3)直径1cmナイロンブラシ区

この区は直径1センチの中性洗剤をなじませたナイロンブラシをニップル内に突っ込んで、20回中で上下させ、中の洗浄および弁部分へも洗剤と濯ぎ効果での洗浄度アップを期待しました。

効果判定

洗い残しが無いかを客観的に評価する為、歯磨きチェッカーを使って判定してみました。本当だったら細菌培養やら、ルミノテスターでATP測定など、した方が科学的ではあると思いますが、うちの家庭ではこれが限界です。

やり方は、洗浄後12時間の各試験区のニップルを半分ぶったぎって、まずは歯磨きチェッカを弁の根元に十分ひたひたにして、その後ニップルの先端にもひたひたにして、水で濯ぎました。

根元をひたひたに染めてから
一応先端まで染めてみる

まず各試験区共通してニップルをぶった切ったときに思ったのは、あんなにしっかり水をきって12時間縦に静置しましたが、やはり弁の周りの部分、下図の黄色で汚く塗りつぶした部分、仮に弁周囲窪み部、と命名、ここに必ず水は少し溜まっているということです。

そして各試験区の着色程度を比較してみましょう。


1)てきとうゆすぐ区 字も汚い・・・

半分ぶったぎる。弁周囲窪み部に水は溜まっているものの、目で見える汚れはない。
歯磨きチェッカー 染色後 やはり弁周囲以外は全く染まらない
弁周囲、それから弁周囲窪み部のみ顕著に着色されている

2)ゆすぐ念入り区

ニップル先端を同じく半分ぶったぎるも、中の汚れの程度は目視では汚れ見えず。

歯磨きチェッカー 染色後。さきほどの、てきとう区に比べて
ニップルの先端もなぜか染色されている。なぜ?!
弁周囲はやはり染まるものの、1)ゆすぐてきとう区に比べると染まりの程度が薄い印象

染めた 
やはり弁周囲窪み部は染まるけど、1より薄く、2よりわずかに薄いかな?

結果まとめ

1、基本的に弁周囲窪み部および弁に洗い残した汚れは付着する。そして当該部位に水は溜まりやすい。

→次亜塩素酸ナトリウムのような適切な希釈倍率で、漬け置き、かつ、そのまま洗浄なしで哺乳することができる消毒薬などを使うことで、汚れやすく水のたまりやすい場所に消毒薬を滞留させることが出来るので効果的である可能性。

2、洗い方による違いは、これはもう染まり方の色味の主観になっちゃいますが、3)の「ナイロンブラシ区」がやはり一番薄い、次に2)の「ゆすぐ念入り区」、そして最後に1)「ゆすぐてきとう区」の順番に、歯磨きチェッカーに染まった色素が薄かった=つまり洗い残しが少なかった可能性、があります。

写真は3枚あるけど向きが違うだけ

ただし、「2)ゆすぐ念入り区」のみ、ニップル先端も着色したのは想定外。

可能性としては、使用済みのニップルを使ったので、1)もともと摩耗していたためミルクが入り込み汚れが取り切れなかった 2)もしくは丁寧に濯ぐ際にニップルを指で30秒押しては離すということをし続けたので摩耗した(その前に3分間ミルク循環のときも全部のサンプルに同じことしてるし、それが30秒増えたところでこんなに摩耗するとは思えないな) 、といったところでしょうか。

可能性としては1のほうが大、このニップルを使っていた子牛はガシガシニップルを噛む子だったのかな。。。全部新品でやるとか、完全に試験サンプル条件を揃えないとこういう羽目になりますね・・・。

新品頼むと届くまで2週間かかるっていうからとりあえず手元にあるやつで試したけど、そもそも弁周囲の今回染まった汚れも、洗浄方法関係なく、もともとついてた汚れだったりして・・・。。試験前にニップル内が見れないのでその可能性もありうる。一応新品も3本買ってみて追試するかな・・・

まとめ

現状、ナイロンブラシ(直径1センチ)で洗剤をつけて濯いで、その後、次亜塩素酸ナトリウムに付け置きする、というのが一番良さそうです。酪農家さんならオリオンの殺菌20とかだろうか。

まだニップルが残り2個あるので、ナイロンブラシでガシガシこすったときも摩耗しないか、また検証してみたいと思います。

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