ADSA2023 -vol1-

こんばんは。私という物体は最近本当によく移動していて…SDGsにはたぶん全く貢献してない。。。つ、つかれたぁ・・・・っていうのがここ2か月位の感想…。まだ9月くらいかと思っていたら、もう11月なのか…

最近、トレーニング(自主勉強)を怠っていて、だいぶさぼって楽していました。

自分に負荷をかけていくことが筋トレ同様、伸びしろを作っていく!トレーニングあるのみ!!闘魂🔥気合🔥🔥🔥

2023年のADSAの要旨を読んでいきたいと思います。まず一つ目は子牛のマネジメント。特に飼い方について、ウェルフェアやこれまでと違う視点からの内容です。

American Dairy Science Association > Meetings > 2023 Annual Meeting > Abstracts (adsa.org)

Hot Topics in Calf Management 子牛のマネジメントの最新トピック


・タイトル 2150 Cow-calf separation: Public acceptance and scientific evidence. 母牛と子牛の分離: 社会的受容と科学的根拠

一言で言うと、早期母子分離せずとも何ら影響が無い、とのこと。。

●内容:

早期子牛分離は世界中のほとんどの酪農場で標準的に行われている。しかし、この慣行に対する一般市民からの不快感や懸念があり、酪農産業の社会的認知が損なわれている。

1)長時間の子牛との接触が子牛の行動、福祉、生産性(子牛の成長、 乳量)に及ぼす影響

2)子牛と子牛の健康(子牛の洗蹄、クリプトスポリジ ウム、ヨーネ病、肺炎、受動移行、死亡率、母牛の乳房の健康など)

について、入手可能な研究結果をまとめた最近のレビュー 2 件の結果を要約すると、早期分離が乳牛や子牛の健康を改善するという証拠や、早期分離が泌乳量を向上させるという証拠はほとんどないというのが我々の結論。

農場での実装にはまだ更なる研究が必要である。

2150 Cow-calf separation: Public acceptance and scientific evidence

●私が思ったこと・・:一般市民の感覚的な「かわいそう」、に対応する必要があるのかと思ってしまうけど、これは業界の常識に慣れ過ぎているだけなんだろうか。泌乳量に影響ないってホンマかいな…そもそも人のかわいそうという感覚と、カウコンフォートは違うと思うんだよな。これが答えがない問題なので、多分理論的な正解はない。どこまで、消費者感覚に寄り添う必要があるか、時代によってそのバランスは異なるので、現代の最適解を探る、ということなんでしょうか。


・タイトル 2151 Calf housing and social impacts / E. K. Miller-Cushon*,University of Florida, Gainesville, FL.

一言で言うと、子牛の発達にソーシャルハウジング(群飼育)は有効

現在、酪農業界では子牛の飼育方法は様々であり、子牛の行動を理解することで、子牛の飼育を改善するための変化が起きている。

・子牛を複数で飼育する「ソーシャルハウジング」子牛同士の社会的絆の発達を促し新しい社会集団への適応を容易にする

・ソーシャルハウジングは早期に導入されると特に有益で、行動上の利点は生後数週間で明らかになる。摂食パターンや競争行動の発達にも影響を与える。

・ソーシャルハウジングが社会的行動や摂食行動に及ぼす累積的な影響は、行動や成績に及ぼす長期的な影響を媒介する可能性があり、成牛になってからもこれらの影響を調べる必要がある。

・社会性の発達への影響だけでなく、ソーシャルハウジングにて飼養された子牛は目新しいものへの反応が少なく、管理の移行を乗り越える能力が向上する可能性がある。

社会的相互作用摂食行動など、子牛が意欲的に自然な様々な行動を行える機会を与えることは、子牛の行動発達の鍵であり、長期的な福祉に影響を及ぼす可能性が高い。

●私が思ったこと・・

やはりトレンドとしては個別飼育より、群飼育が哺乳子牛でも、子牛に与える様々な影響を加味するとポジティブな影響が大きいという傾向なんでしょうか。特に群飼すると新しい環境への適応が速いということがあるようです。1群管理で、初産が必ず経産牛の群に入っていくという状況が避けられない牛群では、もし哺育期の飼い方でその後大きくなってからの環境適応に影響するのであればそれは大きな影響かも。


・タイトル: 2152 Transportation impact on preweaned calves. C. Cramer*,Colorado State University, Fort Collins, CO.

一言で言うと…若齢期の子牛の輸送はめっちゃ子牛に負担

アメリカの酪農業界全体において肉牛の精液で乳牛を繁殖させることが増えたため、子牛が生後 1 週間以内に 輸送されることが多くなり、子牛の輸送方法に注目が集まっている。

・輸送時のストレス要因には、餌や水へのアクセスが制限されていること (もしあったとしても)、混載されること、環境温度の変化、様々なハンドリング技術が含まれる。

新生児体温調節能力が低く、免疫系が未発達で、生理的ストレス反応が未熟なため、輸送ストレス要因に対して特に脆弱である。

・米国では、子牛は平均 3 日齢、多くの場合 24 時間齢未満で輸送されることが 多いことから、このような福祉上の懸念に対処することが非常に必要。

・月齢に加えて、輸送に適した状態であることも、福祉上重要な考慮事項である。

・米国の子牛施設に到着した子牛は、脱水、無気力、低血糖、または体調不良、臍帯炎、下痢を起こしていることが報告されています。また、目的地までの輸送中に子牛の体調が悪化する可能性もある。

・この発表では、子牛の輸送に関連する研究と重要な福祉問題を要約し、現在の知識のギャップを明らかにします。

●私が思ったこと・・

日本でも若齢の輸送があるエリアはありますね。でも、要旨では注意点や懸念点など、イマイチ研究内容が分からないわ~😿


・タイトル:2153 Thermal stress impact on calves. J. Van Os* and K.Reuscher, Department of Animal and Dairy Sciences, University ofWisconsin, Madison, WI.

一言で言うと…ペアハッチは夏も冬も有効、夏はマジで換気命

社会的接触の必要性や温熱的快適性といった子牛の福祉の側面は、相乗効果や相反する可能性がある。

・子牛は、高齢牛に比べて高い周囲温度下で熱を産生し、恒温性を維持するためにエネル ギーを消費する。寒冷ストレスは発育成績と健康に悪影響を及ぼす。緩和策は主に、栄養面での介入、または敷料やジャケットなどの資源を用いた熱損失の抑制に重点が置かれている。

・潜在的な体温温存戦略として子牛が 2 頭 1 組または群飼いで身を寄せ合うというものがある。

ソーシャルハウジング(群飼育)は、子牛の社会的・認知的発達、福祉、発育の面で、数多くの利点があることが報告されている。逆に、暖かい季節には、社会的な距離が近いと暑熱ストレスが増加する可能性がありますが、これについては調査されていない。

・ウィスコンシン州では、子牛が季節的に極端な寒暖差にさらされる屋外ハッチに収容されている子牛の研究を行った。

・我々は、子牛を屋外エリアとつながった隣接するプラスチック製ハッチのペアに収容した場合の社会的接触が、冬と夏の熱的快適性にどのように影響するかを評価した。

・夏期には、熱ストレスを軽減するための小屋の換気の効果も調査した。

・予備調査の結果、ペア飼育の子牛は、季節に関係なく、生後数週間にわたってほとんどの時間を一緒に過ごすことを好むことがわかった。冬には、子牛が2頭いるときと1頭のときとでは、小屋の中の周囲温度がより高くなる。

には、子牛の頭数ではなく、小屋の換気が小屋内の環境に影響する;さらに、換気は子牛の暑熱ストレスの体温調節指標を低下させる。

・これらの結果から、冬でも夏でも、ペアでの飼育は温熱快適性と矛盾しないことが示唆され、ソーシャルハウジングを通じて子牛の福祉を向上させることができる。

●私が思ったこと・・ペアハッチの研究が、夏・冬に分けてそれぞれ行われた結果は興味部会です。冬はやっぱり暖かいんだなぁ…




ウェルフェア、子牛の発達、いずれの面からも、今後は子牛は単飼育よりも、ペアハッチもしくはソーシャルハウジングが推奨されていくのでしょうねぇ~、、、

でもホルスタインのデータでそのように論じられても、和牛だとまた違うと思うので子牛といっても一概には言えないですし。あくまで上記はホルスタインについて、ですね。

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