大変ご無沙汰しています。皆さんお元気でしょうか。
激激激!!!忙しくて全然プライベートでは勉強出来ない日々が続いていました。
全国色々お伺い出来て良かったんですがあまりに忙しくて、「あー忙しくて吐きそう」って思ったら本当に吐いたので願えば叶う🌟っていうか、そんなん叶わなくていいっていうか、少し今月からセーブして、またきちんと勉強する日々にしたいなぁと思っていました。。。
こういうオープンな時代だからこそ、表じゃできない話をするのに、クローズドなコミュニティって大事になってくるよな~っと改めて思いました、あとはオンラインもいいけどやっぱり対面、いいよね。って。あと、同年代からちょっと上の男の開業獣医さんたちって結構ギラギラ、グイグイ、ブイブイ🏄🏄🏄してるので勢いすごいな~!って思いました、笑。私がぼやっとし過ぎてるだけかも?
さて、、、
ADSA2022が開催されましたよ~!
アブストはここに貼っておきます。
今年はどんな発表があったのか、ウキウキ~💕💕💕早速目次から見てみましょう💕💕💕今日は子牛関係を見ていこうかしらん
Growth and development1
・1061 Growth and health costs of dairy calves raised in individual, pair, or group housing compared with dairy calves raised on cows.(P33)):個別、ペア、群飼子牛に対する親付け子牛の成長と健康コストの比較
一言で言うと、親付け最強!(ただし下痢は個別管理より増)
●研究の目的: 親付け(D) 、個別飼育(I)、ペア飼育(P)、グループ飼育(G)での成長・健康への影響を比較する
●研究デザイン:ホルスタイン、もしくはクロスブリードの子牛239頭をランダムに割り当て。I、P、Gの子牛は3dでハウジングシステムに導入、1dあたり10Lのミルクを給与。親付けの子牛は出生後3日から親と同居させ自由に哺乳できるようにした。63日齢離乳。
●結果と考察:親付けが成長面ではBest✊ 平均日増体量(D:1.15 kg/d、I:0.98、P:0.98、G:0.99 kg/d),、総増体量(D:75.5 kg、I:62.1、P:62.0、G:64 kg/d)、下痢の治療実施率(D10.14%、I:3.57%、P:1.85%、D:10.14%、G:18.3%)
●私が思ったこと・・クロスブリードの品種はミネソタだと何になるのだろうか、親子ともにクロスブリード品種と乳量が気になる。そりゃある程度乳量出るのであれば親付けが増体が良くなるはずだけど、下痢はやはり個別・ペアが少ないんだなぁ。そして親付け以外では増体はこの試験ではほぼ同等になっている。ペア、グループ飼育ではスターター摂取量が増えて増体が高いというが定説だったと思うのだけど、何か記載のない試験条件などで、この辺は影響があったのだろうか。
Ruminant Nutrition 1: Calf Growth—Applied Nutrition
・1079 Effect of different lipids sources added to milk replacers on body weight, body condition score, fecal score, and biometric measurements in bull calves.代用乳に添加した異なる脂質源が雄子牛の体重、ボディコンディションスコア、糞便スコアおよび生体測定値に及ぼす影響
一言でいうと、脂肪16%のミルクに2種類の脂肪酸組成の脂肪を足しても全然影響なし
●研究の目的:代用乳への脂肪の添加による影響を確認する、また添加する脂肪の脂肪酸組成が異なる場合の影響を確認する
●研究デザイン:18頭のHolstein × Belgian Blue ♂子牛。まず21日間はいずれの区も脂肪16%の代用乳を給与し、その後21日間試験を行った。対照区、デンマークNLM Vantinge社のBoviLM給与区、Bovi85給与区の3つに分けた(開始時体重70kg)。対照区は脂肪の添加なし、脂肪給与区はいずれも代用乳の乾物5%添加した。
BoviLMの脂肪酸組成(g/100g)はC16:0が40%、C18:0が40%。Bovi85はC16:0が45%、C18:1が40%のcis-9。
●結果と考察:脂肪を添加しても、またその飽和度が異なっていても、いずれの区も増体、また各種の体測定パラメータ、下痢発症に有意差なし。
●私が思ったこと:まず代用乳給与量が記載ないので、どのくらいの量あげていたんだろうか。全部の平均DG0.66ということなのでたぶんそんなに量はあげていないんだろうな?粉で600g/日くらいかな?ステアリン酸が多いほうがいいのか、オレイン酸が多いほうがいいのか、オレイン酸が多いほうが脂肪の消化率は高いのだろうけど。もっと添加量が多ければ違いが見れたのかな?
後はスターター給与にかかわる記載は無かったけど当然給与しているだろうし、脂肪酸組成の影響を見るなら、もう少し小さい体重、日齢で代用乳に栄養源を依存している段階で試験するほうがいいんじゃないか、と思ったりしました。
Ruminant Nutrition 3: Calf Development
1165 Effects of weaning strategies on health, hematology, and productivity in Holstein dairy calves. 離乳戦略がホルスタイン種子牛の健康状態、血液組成、および生産性に及ぼす影響
一言で言うと、早くて突然の離乳は呼吸数や心拍数、ルーメンpHにまで影響あり
●研究の目的:離乳戦略は実に様々であり本研究では、子牛の離乳日齢(6 週齢 vs. 8 週齢)と離乳ペース(突然 vs. 徐々に)が子牛の健康に及ぼす影響について検討した。
●研究デザイン:ホルスタイン種の子牛(n = 72)を4区(1区18頭)に分けた。 Early-Abrupt (EA)6週齢突然離乳, Early-Gradual (EG)6週齢漸減離乳, Late-Abrupt (LA) 8週齢突然離乳、 LateGradual (LG)8週齢漸減離乳 の4区で、代用乳(CP24%、脂肪17%、1,200 g/dまで)を1日2回、水、カーフスターター(CP18%)、刻んだアルファルファ乾草を自由摂取で給与した。
●結果と考察:呼吸数は、漸減離乳区が少なかった(P = 0.01)。心拍数は、漸減離乳区のほうが突然離乳群よりも低かった(P = 0.01)。
ADG が漸減離乳区で増加した(0.65 kg/d、P = 0.02)穀物摂取量の変化は,漸減離乳区の方が大きかった(P < 0.01)
血中ヘマトクリットは突然離乳区で増加した(41.3 %、P = 0.01)離乳期最後の3日のルーメンpHは EG から LG まで(7.65 vs 8.84, P = 0.1)、LA から LG まで(7.89 vs 8.84, P = 0.1) 上昇する傾向。
●私が思ったこと
まだまだ面白い離乳移行期、いろんなところで引用されている6週齢 vs 8週齢離乳の試験の論文もある通り、やはり8週齢くらいになると消化管も作られてきてルーメンpHも安定、かつ、やはり漸減離乳のほうがスターター摂取量が徐々に伸びていく可能性が高いため、ルーメンpHがより安定するのかなと思いました。日本での子牛のルーメンpHの報告結果はもっとpHが全体的に低かったんだけど、今回7-8程度と高いのは給与体系の違いなのか?使っているセンサーの違いなのか?
Htが突然離乳区で増加というのも、がつっとスターターを食べて、がつっと水を飲んだから??心拍数まで影響があるなんて、いったいどういうメカニズムなんだろう?
でも、とりあえず基本系としては「8週離乳漸減離乳」がベターだと私は思っている。
1167 The effect of weather on drinking speed and milk consumption on female dairy calves in an automated milk feeder system. 哺乳ロボットシステムにおける乳牛の子牛の飲水速度と乳量に天候が与える影響
一言で言うと、哺乳ロボットでの飲む速度は体重、環境(THI),FD,BW、母牛の産次にも影響される
●研究の目的:第一の目的は、子牛に自由採食させた場合の、環境と動物の特性が摂食行動に与える影響を評価すること、第二の目的は、牛呼吸器疾患(BRD)治療と摂食行動との関連性を評価すること
●研究デザイン:インディアナ州プリマスのコマーシャル農場の AMF と牛群管理ソフトウェアのデータを、近隣の気象観測所のデータと統合した。2015 年 7 月~2021 年 8 月に生まれたホルスタイン雌子牛 10,019 頭(BW 41.1 ± 5.1 kg)の日データを解析した。子牛には最初の 32 日間非出荷の生乳を最大 24 L/d 与えた.線形混合モデル(lmerTest 3.1-3,R ソフトウェア 4.1.2)を用いて,毎日のミルク消費量,訪問回数,飲む速さを分析した.
●結果と考察:
初産牛から生まれた子牛は、経産牛から生まれた子牛と比較して、生乳摂取量が最も少なく(8.61 vs 8.99 ± 0.05 L/d、P < 0.05)、飲む速度が最も早かった(501 対 479 ± 6.6 mL/min、P < 0.05 )。
BRD処置により,生乳摂取量はBRD処置3日前のベースラインと比較して1.7%減少し(P < 0.05), 飲む速度はBRD投与1日前に3.1%減少した(P < 0.05)。これらのモデルから、飲む速度の変化は THI、および THI と FD(feeding day) および BW との相互作用に関連することが示された。今後の予測モデルは、統合されたデータを考慮し、環境ストレス要因を考慮する必要がある。
●私が思ったこと:初産から生まれた子牛と経産牛から生まれた子牛で、初産の子は飲む量も少なくて早く急いで飲んでいたっていうことだけど、ここでの体重差は統計的有意差があるほど違ったんだろうか?もし体重では有意差なしなら、どうしてそうなるんだろう。哺乳ロボット関連は動物行動学をもっと組み合わせてまだまだ発展しそうなので、面白いな。もっと具体的にどういうTHIでどう哺乳行動が変わるのか、どっかで別で発表してたりするのかな。
1170 Impact of bovine-derived direct-fed microbials and transition milk on growth and immune development of Holstein dairy calves.ホルスタイン種子牛における牛由来微生物経口投与と移行乳の成長と免疫発達に及ぼす影響
※bovine-derived direct-fed microbials (DFM)
一言で言うと、移行乳とDFMの組み合わせが初期の飼料効率最大化には良い感じ
●研究の目的:子牛の成長および免疫学的パラメータに対する移行乳および牛由来微生物経口投与(DFM)の役割について検討した
●研究デザイン:40頭のホルスタイン子牛を4区に分け、給与するミルク(100%代用乳 VS 移行乳:50%代用乳+50%初乳粉末)と、4種類の乳酸菌からなる牛由来DFMの給与有無で試験区を設定した。
①ミルクリプレイサー、DFM対照区(MR-C)②ミルクリプレイサー、DFM添加区(MR-T)③移行期乳、DFM対照区(TM-C)④移行期乳、DFM添加区(TM-T)
移行乳と DFM は 1 日目から 7 日目まで毎日与え、その後、すべての子牛に高平均栄養の代用乳、子牛用スターター、水を自由採食とした。子牛は 21 日目まで個別飼育し、その後は群飼いした。離乳は 49 日目から 63 日目まで代用乳を徐々に減量した。
●結果と考察:
ADGはミルクの種類(P = 0.86)および DFM 処理(P = 0.38)によって影響を受けなかった。1 日目から 7 日目までの飼料要求率は TM-T 群が他の群より高かった(P = 0.05)。糞便中のVFA濃度はDFM処理群で高かった。糞便中の総大腸菌数は,TM処理により1週目に減少し(P < 0.01),TM-Tは4週目まで総大腸菌数の減少を示した(P = 0.01).牛由来のDFMは、初期における飼料要求率を向上させ大腸菌の排泄を減少させる可能性。
●私が思ったこと
移行乳給与でその後の増体もアップ🌟みたいな文献も多かったので、ここまであまり差がないのは少しがっかり。ここで使っている4種類の乳酸菌のDFMはどこのメーカーのだろうか。アルバータ大学とゲルフ大学の共著だけど、、、
1171 Feeding colostrum and transition milk facilitate digestive tract functionality of dairy calves after a feed restriction and fasting period.初乳と移行乳の給与は、飼料制限および絶食期間後の子牛の消化管機能回復を促進する
一言で言うと、初乳と移行乳は飼料制限後の子牛のおなかにやさしい!
●研究の目的:飼料制限(FR)と絶食の後、牛の初乳(BC)、移行乳(TM)、代用乳(MR)を与えた場合の消化管の回復と代謝を評価することを目的とした。
●研究デザイン:
ホルスタイン種の雄子牛35頭(22日齢)を50日間の試験に供した。19時間絶食させた後、子牛を5つの処理区に分けた。:①4日間(C4)または②10日間(C10)初乳を給与する、③4日間(TM4)または④10日間(TM10)移行乳を給与する、⑤10日間(CTRL)720 g/d DM量の代用乳を与えた区。
●結果と考察:
子牛の成績、摂取量、血清NEFA濃度は、試験期間中、各処置間でほぼ同等。
血清 BHB 濃度は、C4、C10、TM4 および TM10 で CTRL よりも高く、血清シトルリン濃度は試験2日目および5日目では C4、C10、TM4 および TM10 で大きく、試験11日目では C10 と TM10 で CTRL よりも大きかった。糞便中のIgA濃度は、C10がCTRL、TM4、TM10よりも高く(各698 vs 266 ± 188.8 ng/mL)、C4とTM10がCTRLよりも高かった(各448 vs 149 ± 188.8 ng/mL)。
よって初乳、移行乳は絶食後の子牛の腸管吸収機能の回復、腸管免疫保護、肝臓脂肪酸酸化の上昇に役立つ可能性がある。
●私が思ったこと:若齢での輸送や市場購入後などはやはり移行乳や初乳などの給与がおなかにやさしそうです!私の所属会社でも移行乳を再現した代用乳を持っていますので是非、若齢(3週齢くらいまで)での子牛の導入がある方は試してみてくださいね!(宣伝で終わる!w)
子牛partすら全然読み終わりませんでした。また続きで・・・
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