2024年もとっても大事で大好きなお客様たちと色々な取り組みをさせていただき、本当に忙しくも楽しい1年でした。本当に感謝。ほんと、ほぼ記憶がない‥‥
さて、来年に向けて勉強しましょう!
イソ酸
イソ酸って聞いたことありますか?
ルーメン中の主なイソ酸(isoacid)=分岐鎖揮発性脂肪酸(BCVFA)には、イソ吉草(きっそう)酸(IV)、2-メチル酪酸(2MB)、イソ酪酸(IB)があり、それぞれ分岐鎖アミノ酸(BCAA)のロイシン、イソロイシン、バリンから生成される。
cornell nutrition conference 2023.Viewing a Role for Isoacids in Dairy Nutrition Through a New Lens.
これがどうして再注目されているかというと。。。生産性を向上する可能性があるから!
・ルーメン細菌は一般的に2つのカテゴリー:①繊維を消化するセルロース分解菌②でんぷんや糖を消化するアミロース分解菌
・イソ酸は、ルーメン内でタンパク質の消化により自然に生成され、セルロース分解菌の成長に必要
・ルーメン内のイソ酸の最適濃度を維持することで、セルロース分解菌の成長と活動を促進し、繊維の消化を改善
・イソ酸は乳生産に必要な栄養素の利用に関連するホルモンに影響を与えることも分かっている
・特に、栄養学者が乳牛の窒素排泄量を減らすためにルーメン分解性タンパク質の配合量を減らした飼料の配合を始めて以来、
飼料に由来する分枝鎖揮発性脂肪酸の欠乏は一般的
・イソ酸を牛に補給することは、セルロース分解酵素の成長因子を供給する以外にも、ルーメン内の窒素レベルが十分であれば、ルーメン内の微生物の個体数をよりバランスよく保ち、微生物によるタンパク質生産の効率を向上させる可能性が高い
特に
・セルロース分解菌が BCVFA を非常に必要とすることから、我々はこれらの in vitro 試験において、中性デタージェント 繊維分解性(NDFD)を主な反応基準とみなした。
・BCVFAはすべてNDFDを改善したが、2メチル酪酸、イソ酪酸、イソ吉草酸の順に有用
・BCAAを合成するのに必要な主要酵素を1つ以上失った細菌や古細菌(メタン菌)では、BCVFAがタンパク質合成のためにBCAAに変換されることが証明されている
・ルーメン内細菌の大部分は、何らかのフェレドキシン依存性分岐鎖ケト酸デヒドロゲナーゼ(または同様の酵素)を用いてBCVFA-CoAを生成しているよう
直近のイソ酸に関するレビュー
オハイオ州立大のFirkins博士のレビュー Invited Review: Advances in rumen efficiency
イソ酸の添加で乳量が増えた、なんていう報告もちらほら。2023年のコーネルニュートリションカンファレンスで取り上げられているので、まずはそれをじっくり読んでみたいと思います。
Zinpro Iso Ferm
ちなみに、昔はiso plusという製品があったようだけど、今はジンプロ社のIso Fermという製品があるよう。
Zinpro IsoFerm Wins Silver Medal at EuroTier Innovation Awards – Zinpro®
ユーロティアでもシルバーメダルに取り上げられているみたい。
動画の説明が分かりやすいので、概要を以下に書きます。
Zinpro® IsoFerm® Mode of Action: How, When and Why It Fuels Dairy Performance
・BCVFAsは、ルーメン細菌による飼料中タンパク質の分解により微生物タンパク質を生成する過程で、ルーメンで自然に生成される必須栄養素
・通常、真のルーメン分解性タンパク質の一部分は、糖やデンプンの消化をする細菌によって分岐鎖アミノ酸(BCAA)に分解される
・これらの分岐鎖アミノ酸の一部はさらに還元されて、分岐鎖揮発性脂肪酸(BCVFAs)という炭素骨格となり、この分岐鎖揮発性脂肪酸は炭素源としてアンモニア性窒素や二酸化炭素と利用され、必要不可欠な微生物タンパク質とエネルギーを生成する
・しかし、一部の飼料条件ではこの自然のプロセスが非効率的になり、乳生産に必要なBCVFAsの供給が不十分になることがある:RDP不足、通過速度が速い、発酵性の高い飼料
・そんな時!IsoFerm!!
引用:(19) Zinpro® IsoFerm® Mode of Action: How, When and Why It Fuels Dairy Performance – YouTube
さすが世界のジンプロ様、動画もとても分かりやすいので是非興味がある方は見てみて!
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