イソ酸の合成と吸収
1月、立て続けに風邪をひいて、そのあとに食中毒になったりして、ほんと踏んだり蹴ったりで仕事以外全部寝ていましたね…。。。イソ酸②も書きかけのまま1か月程度放置していました。
筋トレもジョギングもすっかり辞めてしまってましたが、体力は筋力!体力命!と思い、ジョギング再開。少しずつ、体力も知識も少しでも積み立てていくことが大事だよね!!最近、料理もしている。
一人暮らし時代、チョコとグミで暮らしていたワタシ。料理が面倒で。お菓子好きだし。グミってっコラーゲンだから意外と蛋白が取れるのか、体が頑丈なのか、若かったからなのか。当時は意外と元気でした。
ただ、この前子供に、(朝ごはんにバナナを差し出しながら)お菓子ばっか食べないでごはんたべなさい、と(どの口が言う)言ったところ、だったらもっとちゃんとご飯作りなさいよと言われ。うーんたしかにそうだよね、と納得し、ごはんを最近頑張って作ってるんですが。。。
子供が私のごはんを全然食べない。。。小食なのか?!でも、すきやに連れてくとめっちゃ食べる。保育園のごはんはおいしい!すきやのごはんもおいしい!おうちのごはんは・・・。って言ってました。そうだよね、、おいしくないんだよね。。😿😿😿やっぱ、ホットクック買おうかな・・。
でも、もうイソ酸ってなんだか忘れてるっつーの・・って感じですが気を取り直して。
イソ酸のトピック自体は前述したように目新しいものではなく。
新乳牛の科学にもしっかり載っています。
・アミノ酸の炭素骨格部から生じる有機酸を表1-4に示すが、分岐鎖アミノ酸からは分岐鎖の脂肪酸(VFA)を生じる。なお、分岐鎖アミノ酸と吉草酸はある種のセルロース分解菌の増殖に不可欠である。
ー新・乳牛の科学ーP71

解離型VFAの吸収:(ルーメンpHが7付近ではVFAの大部分は解離状態にあり、逆に5に近づくとVFAの約半分は見解離の状態になる)酢酸、プロピオン酸、酪酸といった3つのVFAは、ほとんど同様の速度で吸収されている。ところが、分岐した炭素鎖をもつイソ酪酸、イソ吉草酸といった側鎖VFAの吸収速度は主要な3つの酸に比べて低い。
これはルーメン上皮をVFA上皮が通過する際に機械的な通過阻害を受けながら、受動的に吸収されているものと考えられる。
ー新・乳牛の科学ーP84,85
ちなみにイソ吉草酸については特筆
①・トウモロコシ蛋白中に前駆体であるロイシンが多く含まれる
②・イソ酪酸は細菌の純粋培養でイソ吉草酸の代替の働きをする
👉イソ吉草酸は2-メチル酪酸やイソ酪酸よりも必要とされる可能性は低い
・イソ吉草酸は主にルーメン上皮で代謝される可能性が高い
・イソ酪酸と2-メチル酪酸は肝臓または末梢組織で代謝される可能性が高い
Invited Review: Role for isoacids in dairy nutrition* – ScienceDirect
これまでのイソ酸研究の歴史
・BCVFAと吉草酸は、微生物に必要な栄養素としてひとまとめにされがちだが、NDF消化性への影響は個々のBCVFAの相互作用がある
・このような総合作用は知られておらず、1980年代、3種類のBCVFAと吉草酸をカルシウム塩に含有したIsoPlusという製品が開発され、広く飼料添加物として試験された
・複数の機関でメカニズムおよび泌乳成績の研究が行われた
・結果は概ね良好であったが、Eastman Kodak は IsoPlus を突然中止した
・上記の調査では NDFD に対する BCVFA の役割が広く支持されたため、酪農栄養士は IsoPlus が市場から撤去された後も、RDP に含まれる BCAA から BCVFA を十分に確保することに精通していた
Invited Review: Role for isoacids in dairy nutrition* – ScienceDirect
えええ?!?!そうなの!?精通していたの?!
私はぜーーんぜん知らなかった。。
でも確かに昔と比べて飼料のCP水準はどんどん低くなっている、環境負荷軽減、コスト削減、ゆえに、RDP不足によるBCVFA不足、という事態も、昔より起きているかもしれないですね。
・過去 10 年間に、乳牛の窒素排泄を制限するために飼料中の RDP を減少させる動きが研究者らによって見られるように👉微生物によるタンパク質合成や NDFD のための BCAA のような予備形成 AA が制限される可能性が高くなる
・試験管内における繊維分解性の一貫した改善とは対照的に、過去、多くの生体を用いた研究ではBCVFA補給による一貫した改善は認められなかった👉①純粋でない可能性が高い個々の BCVFA と称するものを使用②RDPレベルが不明
Invited Review: Role for isoacids in dairy nutrition* – ScienceDirect
・BCVFA がどのようにして中程度の RDP で一貫して NDFD を支えているのか、そのメカニズ ムの裏付けについて
・BCVFA は RDP の BCAA から生成されるが、BCVFA はタンパク質合成のために再び BCAA に変換される
・セルロース分解菌の主要な菌種は、BCAAsを合成できないため(これらの菌種のケト酸はBCVFAの前駆体)BCVFAを必要とする
・セルロース非分解菌やメタン生成菌の一部もBCVFAを必要とする
・フェレドキシンを利用した電子伝達によって、ATPを生産するためのエネルギー保存が可能になる可能性が高い
・炭素とATPの供給量に比べて後者が不足している場合、熱力学的に有利な(ATPのコストがわずかである)BCVFAをBCAAに変換することも可能になる

・分枝鎖脂肪酸カルボン酸(BCVFA)が伸長すると、分枝鎖脂肪酸(BCFA;図2)は主にルーメン細菌(またはそれらを捕食する原生動物)の細胞膜リン脂質に存在する
・ルーメン(およびすべての嫌気性)細菌は、戦略的に直鎖のVFAまたはBCVFAを伸長させ、その膜の直鎖:分岐脂肪酸の比率を維持することで、異なるルーメン条件(pHの変化や脂質の補給など)下で膜の完全性を維持していると考えられている
・BCVFA 投与による NDFD の変化は一般に 3 ~5%程度
それから、
・過去のレビューでは、①セルロース分解性 Fibrobacter と Ruminococcusに必要な BCVFA についての観点(Andries ら、1987 年)と、②微生物コンソーシアム全体におけるセルロース分解性細菌の役割に重点を置いた最近のレビュー(Firkins、2021 年;Firkins と Mitchell、2023 年)の2つの側面からの報告がある
・BCVFA を必要とするセルロース分解菌である Fibrobacter と Ruminococcus は、全てのルーメンサンプルにほぼ普遍的に存在する中心的な「コア」グループ
・これらのコアバクテリアは、BCAAのような重要な前駆物質を産生する能力を欠いている(そのためBCVFAを必要とする)にもかかわらず増殖できるということは、(1)スペシャリスト(ユニークで重要)であり、おそらく「要」であり、(2)それらの前駆物質を産生する他の微生物と相乗的に動的な相互作用をすることを裏付けている
・結論:これまでの解釈と比較すると、セルロース分解菌に対する適切なBCVFA増殖因子の必要性は、共通の資源を共有しながら混合飼料中のあらゆる基質を分解する微生物の効率的なコンソーシアムにおける役割へと拡大されなければならない。
・BCVFAを補給すると、おそらく細胞内濃度が上昇し、BCAAに変換され、細菌の増殖のためにペプチドの生産と利用のバランスをとる酵素を含む、細菌の様々な遺伝子の転写に影響を与える可能性がある。
・RDP をモニタリングしてルーメンでの十分な窒素利用率を確保できない場合、CP が 16.0~16.5%の飼料が BCVFA 反応を起こしやすいと考えられる。
・繊維の消化率が向上すれば、乳腺での FA 合成に必要な酢酸供給量が増加するはずであり、おそらくそれに対応する転写制御が行われる。
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