デンプンについて(2)

皆さんいかがお過ごしでしょうか。私はいうでもバタバタしていて、いつでも仕事に余裕がなさ過ぎてゲロ吐きそう!って思いながら生きています!!

願いが1つ叶うなら、1週間でいいから、きれいなホテルに缶詰めで、酒飲みながら好きなだけ好きな論文を読んで、セミナー動画を見てていいっていう時間が欲しいわ・・・

今日も引き続きデンプンの勉強をしようと思ったのだけど…



そもそも。私の中で、デンプン関連で腑に落ちていないことが2点あって。

1)アルファ化度

2)発酵性デンプン

の2つ。どちらもデンプンの消化性の指標になる目安。

当然意味は分かるしググれば山ほど出てくるのだけど

1)アルファ化度:デンプンの中でアルファ化したものの比率、これが高いほど消化性が良い

2)デンプンの中で発酵度が高いデンプン、これが高いほど消化性が高い

という認識なんだけど、なんかもっと具体的に知りたいんですよね。分子式とかさ。アルファ化っていったい何がどうなって、分子がどうなってんの?!とか。発酵性デンプンって、どうやって測定すべきなのか?とか。

アルファ化

:デンプンの糊化のことを古い言い方ではα化という。

デンプンは、グルコースがα-1,4 結合でつながっていて、それが分子内で水素結合をして、とてもコンパクトにまとまっている。

グルコースは本来、水に溶けやすいものだが、グルコースの分子間同士で水素結合をしてしまっているので、その中に水が入っていけないので、生デンプンは水に溶けない状態となっている。例えば、片栗粉は水に溶けない。


それを加熱するとグルコース同士の水素結合が切れて三次元構造が変わり、水素結合が切れたその間に水が入ることができるようになる。水に片栗粉を入れて温めていくと糊みたいになるが、それはデンプンの分子の中に水が入った状態。


水が入ってこられるということは、アミラーゼというデンプンを分解する酵素が入って来るので、効率良く分解できる状態になる。これを糊化と言う。糊化すれば口で噛んで分解でき、糖になるので甘くて美味しいと感じることになる。

会議資料詳細 (fsc.go.jp)
食品安全委員会 食品を科学する―リスクアナリシス(分析)連続講座― 
第2回「誰もが食べている化学物質~食品の加工貯蔵中の化学変化と安全性~」

デンプンはアルファ1,4だけじゃなくアルファ1.6結合もあるぞ、とか思いながら読むけれど、まぁ納得。アルファ結合が切れて、そこに水が入ってくる。それを糊化という。ということでしょうか。

模式図はこんな感じか?

引用元:デンプンのα化と蒸し乾燥工程のご紹介 – 京都グレインシステム株式会社 (kyoto-grain.co.jp)

じゃあ、一般的なアルファ化度の分析方法、グルコアミラーゼ第 2 法ってどうやって分析してるんだろうか。

FAMICのサイトで調べました。

https://www.google.com/url?client=internal-element-cse&cx=017119257256677275971:nbabq_m8mzi&q=http://www.famic.go.jp/ffis/feed/obj/rraf32-r9.pdf&sa=U&ved=2ahUKEwiZ2rzr3JOAAxVQplYBHdtRAOoQFnoECAgQAQ&usg=AOvVaw2siXWi0LdSETBd821ec6el

高等動物にとって栄養素として重要なデンプンは,結晶構造の差異により α-デンプンと β-デン
プンに分類される。

β-デンプンは結晶構造が硬く,α-デンプンはデンプン分子の隙間に水分子が入り込むことで結晶構造が崩れたものであり,β-デンプンを加熱すると α-デンプンになる 。

α-デンプンは β-デンプンと比較して酵素による分解が容易で,デンプン中の α-デンプンの割合を表したものが糊化(α 化)度と呼ばれている。

rraf32-r9.pdf (famic.go.jp) 飼料研究報告 Vol.32 (2007)9 飼料用圧ぺんとうもろこし中の糊化度の吸光光度法による測定

ざっくり読むと、検体を粉砕して所定のpH、温度でアミラーゼに反応させて、どのくらい分解されたかでアルファ化度(%)を求めているようでした。

なるほど、おおむね理解できて満足です!お次はこちら。

発酵性デンプン

これって飼料設計の指標にもなるけど、分析センターとかでは分析値では出てこないし、CNCPSとかのライブラリに入っている数字とかもどうやって設定してるんだろ?って思っていました。

デンプンや炭水化物の発酵性、という言葉はかなり昔から出てきているけど、「発酵性デンプン」という名称が出てきたのって最近なのかな?ここ数年よく使われている気がします。

結構、指標として重要だよね。

分娩前後で乾乳と泌乳の発酵性デンプンの差を5%程度にすべしとか、それ以外にも例えば

SARA 予防に必要な peNDF 量は給与メニューに含まれる発酵性澱粉(fermentable starch)の量によって変化します。給与メニュー中の総澱粉量(total starch)よりも発酵性澱粉(fermentable starch)に、より関心を持って注意を払うことが重要です。

一般的に、給与メニュー中の粗飼料%を 32 ~ 40%か、それ以下にすると、発酵性澱粉をおそらく15%以下に抑える必要があり、給与メニュー中のトウモロコシ穀粒を下げる手段がよく取られます。澱粉レベルが低ければpeNDFが 15 % DM以下でも安全です。

No.151.HP_.pdf (zenrakuren.or.jp) COWBELL P10

そこで、おなじみ「Carbohydrate Nutrition」の「Measurement of starch concentration and fermentability(デンプン濃度と発酵性の測定)」のところを読んでみました。

デンプン消化速度の相対的な差は、ルーメン微生物を用いた試験管内デンプン消化(IVSD)によって測定することができる。

サンプルをルーメン液中で緩衝培地を用いて経時的にインキュベートし、デンプンの消失速度を評価することによって行うこともできるし、より低コストで同様に有益な方法として、一定時間(例えば、7時間)にわたるデンプンの消失速度を評価することによって行うこともできる。

7 時間の培養時間は、泌乳牛のルーメン中におけるデンプンの平均滞留時間として妥当であると思われる;従って、これはデンプンの in vivo ルーメン消化率を予測するために用いられる。

しかし、生体内におけるデンプンのルーメン消化率は、ルーメン液の酵素活性とデンプン源の粒子径に大きく影響されるため、また、ルーメン内でのデンプンの滞留時間は、牛間だけでなくデンプン源間でも非常に変動しやすいため、この手法(または他の手法)でデンプン消化率の絶対値を出せると考えるのは正しくない。

分析前に試料を粉砕する必要があるため、多くの比較(例えば、加工トウモロコシサイレージと未加工トウモロコシサイレージ)において重要なばらつきが取り除かれる。

同じ供給源の IVSD は試験管内で大きく変動するため、比較は同じ試験管内で(同時に)行う必要がある。

(PDF) Carbohydrate Nutrition (researchgate.net)

インビトロスターチ消化性評価についてひたすら書いてある。発酵性デンプンの測定の定義をもっとズバッと書いてほしかったのだけど、、、

つまりは、ルーメン内消化性≒デンプン発酵性、

だから、インビトロスターチ消化率が発酵性デンプン測定の手法と一番近い?と理解しました。

例えば、さくっと出てきた文献:Highly fermentable starch at different diet starch concentrations decreased feed intake and milk yield of cows in the early postpartum period でも

Differences in SF(starch  fermentability ) were confirmed by 7-h in vitro starch digestibility analysis before and throughout the experiment (Table 1) according to Goering and Van Soest (1970)

SF(デンプンの発酵性)の違いは、Goering and Van Soest(1970)に従い、実験前および実験期間中の7時間in vitroデンプン消化率分析によって確認した(表1)。

Highly fermentable starch at different diet starch concentrations decreased feed intake and milk yield of cows in the early postpartum period – ScienceDirect

とか書いてあるし、インビトロ7時間デンプン消化率から発酵性デンプンの値を出すというのが一般的なんでしょうか。

天下の全農様の「繊維・デンプンの消化性を考慮した新しい飼料設計」 でも、RFS(Rumen Fermentable starch)についての記載があります。uNDFが高い=NDF消化性が悪いときは、RFSをそこそこ高めたほうが良いけどアシドーシスには気を付けてねという記載です。

ただ、インビトロ7時間デンプン消化率を単純にデンプンに掛け算しても、AMTSのfermentable starchの値にならず。。。これは演算に牛の体重、DMIも影響しているのでしょうか。

下の表はAMTSから数字を抜き出したものです。

左の2行がブックバリュー、青の真ん中のfermentable starch,ME,MPはフィードプライシング分析での比較値、一番右のオレンジ色が単純にブックバリューのデンプン値に7時間インビトロデンプン消化率をかけたもの。

fermentable starchの数字は、オレンジの掛け算の数字と同等か、掛け算では低めに出るものは少し高めの数字になっていました。

改めて、fermentable starchの計算式を確認してみたいと思います。

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