糖・・・・って一言でいうけど
糖って色んな種類があって、いつも聞かれるたびに忘れてるから毎度調べるんですよね(学ばないオンナ・・・)
糖蜜って何糖だったっけ、とか、スクロースって日本語で何糖だっけとか、ショ糖とグルコースってどう違うんだっけとか、、、ってことで、いつもすぐ忘れるからここにまとめよう!っていうか糖の定義って・・・糖にもいろいろあるよね、っていうか砂糖とショ糖の違いとかもいつもすぐ忘れるんだよな・・・リッピンコット持ってくる・・
P103
糖質とは・・・自然界に最も豊富に存在する有機分子。ほとんどの生物の食事に含まれる主要なエネルギー源で体のエネルギー貯蔵携帯で非常に多彩な機能を果たしている。多くの単純な糖質の実験式は(CH2O)nであり炭素の水和物、から炭水化物とも呼ばれる。
単糖は含まれる炭素数で分類される。2糖類は2つの単糖を含み、オリゴ糖は3-10個程度の単糖を含み、多糖は10個以上場合によっては数百の単糖から構成される。
リッピンコットシリーズ イラストレイテッド生化学 第5版P130
そいえばMaroon5のsugarって曲。良い曲ですよね。。。PVがマルーンが突然サプライズでいろんな結婚式に現れて花嫁がみんな「オーマイガー!(感涙)」ってなるやつ・・・
糖の分類について。新しいことを学ぶにはまずその全体像を把握するとこから!だから分類を把握すること大事。
炭水化物も牛の場合はNDFとNFCに大きく分けることが出来て。
で、非繊維性炭水化物、NFCはおおまかに糖(sugar), デンプン(starch)、溶解性繊維soluble fiber)の3つに分けることができて、その中でも今回は糖!!
Sugar
以下、(1)乳牛栄養学の基礎と応用(Dairyjapan)のP36-46、(2)Nutritional ecology of the ruminant(Peter J.Van Soest)P156-161、(3)獣医生化学(朝倉書店)P67-69を一部引用しています。
単少糖類は概ね第一胃でそれぞれの構成糖まで分解されて、さらにルーメン発酵によりVFAに変換され、エネルギーになります。
Mono-saccharides:単糖類
★glucose(グルコース)ブドウ糖ともいう。デンプン、セルロース、グリコーゲンの構成要素。単体でも飼料用で販売されているが高い。感覚的には200円/kgくらい。
★fructose(フルクトース)果糖ともいう。イヌリン、スクロースの構成要素。単体では売ってないと思う。
★galactose(ガラクトース)ラクトース、糖蜜、ガラクタン中に存在。
★mannose(マンノース)マンナン中に存在。
Di-saccharides:二糖類
★Sucrose(スクロース): ショ糖ともいう。glucose+fructose α1,β2 linkage(結合)、消化はスクラーゼ、完全に消化されグルコースとフルクトースに分かれる。ビートやサトウキビなど自然界に広く存在。
ちなみに糖蜜は水分17-25%、ショ糖30-40%、グルコース4-9%、フルクトース5-12%、他、、、と糖ではショ糖が一番多い。 Molasses – an overview | ScienceDirect Topics
★Lactose(ラクトース): 乳糖ともいう。 galactose+glucose β1,4結合。消化はラクターゼ、完全に消化され、グルコースとガラクトースに分かれる。乳汁中に存在しそれ以外に自然界に存在しない。
★Maltose(マルトース): glucose+glucose α1,4 結合。発芽中の麦種子に多く存在することから麦芽糖ともいう。水あめの主成分。
★Trehalose(トレハロース): glucose+glucose α1,1 結合。林原の有名な糖。
ウィキより:「1995年以前は貴重な糖であり、抽出が難しく、価格も1kgあたり3~4万円と高価だったが、岡山県のバイオ企業株式会社林原がデンプンからトレハロースを生成する酵素を発見し、価格を100分の1に下げることに成功した。」とのこと。お土産の饅頭とか餅とか大体トレハロース入ってるもんね。お膝元の岡山のきびだんごのお土産とか全部入ってるんじゃないだろうか。
Oligosaccharides:
Fructo-oligosaccharides(フラクトオリゴ糖) (3~9 chains of fructose)
糖蜜 について
糖蜜の糖組成についてはちょうど直近に文献が発表されていました
ビートモラセス、甜菜糖蜜、beet molasses.テンサイ由来。甜菜糖蜜の成分(DM)はDM77%、CP6.7%、スクロース48.8%、グルコース5.3%、フルクトース8.1%。灰分は12%、カルシウム0.3%、カリウム2.4%。
甘蔗糖蜜(かんしょとうみつ)case molasses.サトウキビ由来。甘蔗糖蜜の成分(DM)はDM78%、CP13.5%、スクロース61%、グルコース0.3%、フルクトース0.3%。灰分は13%、カルシウム1.4%、カリウム1.8%。
https://www.journalofdairyscience.org/article/S0022-0302(20)30307-6/fulltext
日本の輸入糖蜜は産地からすると東南アジアからの甘蔗糖蜜が多いようです。
糖蜜の生産は当然砂糖の生産地と一致するものだが、
甘しゃ糖蜜はブラジル、キューバ、タイ、インドネシア、フィリピン等熱帯及び亜熱帯の年間平均気温が20℃以上の地帯で生産される。
一方、てん菜糖蜜は EU、東欧、ロシア等、比較的冷涼な地帯で生産される。
わが国に輸入されている糖蜜は年間約20万トン強で、主な産地はタイ、インドネシア、フィリピン等の東南アジア地域で生産されている。
https://sugar.alic.go.jp/japan/view/jv_0011b.htm
糖を給与してもアシドーシスになりにくいのはなぜ?
大場先生の2016年広島大学酪農セミナーによると、
デンプンのグルコースはプロピオン酸に変換されるとき、1単糖(ブドウ糖)から2つのプロピオン酸、2つの水素イオンが生成される。
ブドウ糖単体だと1つの酪酸、1つの水素イオンが生成される。そのためデンプンの代わりに糖を給与してもルーメンpHは下がらない。
2017年広島大学酪農セミナー
デンプンもグルコースがグルコシド結合したものなので、デンプン由来の糖だとVFAの合成比率としてプロピオン酸優位なのに、なぜ単糖由来のブドウ糖だと酪酸も多くできるんだろう・・・・不思議・・・
っていうかデンプン→プロピオン酸→肝臓でグルコースを作って、、、

というこの仕組み、そもそもデンプン→プロピオン酸ってどういう工程を踏んでるんだっけ…まるっと忘れた
ってことで、新乳牛の科学を取り出してきました。
ありましたよP64
炭水化物が微生物によって無酸素的に分解される現象を発酵といい、発酵は建機条件下におけるエネルギー獲得様式にほかならない。
微生物の種類と基質の相違によって発酵の最終産物は種々異なるが、その代謝はピルビン酸を経由する点で共通している。ピルビン酸から最終産物の生成:糖の発酵の最終産物として、通常ルーメン内に大量に検出されるものは、酢酸、プロピオン酸、酪酸、二酸化炭素、メタンである。
新乳牛の科学P64
あー、解糖系、、、ピルビン酸、、懐かしい、、、こうなると化学式で確認したくなる・・・生化学の教科書っ・・・
とりあえず眠いので「糖について1」はおしまい!
コメント
わざわざお礼ありがとうございます。私も同じ境遇にいたものとして是非お会いしたいですね。丹波屋にいて独立したことは?ですか? フェイスブックにてコラム書いてます。一度覗いてください。私も哺乳中に乳糖から酪酸発酵をさせて絨毛を伸ことを考えていました。その際、また発見しました。御社に大学院にてこの研究されたかたが入社されたこと。かなり技術レベル高いメーカーさんですね。
さてこのルーメン(腸管でもいいのですが)で糖がアシドーシスにならないこと以外に知られていません。これをしっかり記載できるのは流石です。暑熱対策に上手く使えますね。多分
現場復帰とブログ再開、おめでとうございます!
今後も頑張ってください。
内田 勇二は結構いますが、もしフェイスブックに興味があれば 中空土偶の写真ですから
+マッドドックです。丹波屋の友達もいますからね・・意味深ですが。ただ私が大切にしているのがまずこれまで育ててくれた牧場の方々であることはわかって頂けると思いますよ