今日はまたADSA2024、モタモタしていたので、すでにADSA2025も終わってしまった。読むべきもの、楽しみがたくさんあって嬉しい~💕💕
最近は大好きな牧場にいっぱい、訪問させてもらって、めちゃくちゃやる気が出たので、勉強しちゃう❣❣❣
・タイトル:2154 The effects of transition milk replacers with different IgG levels on growth performance of neonatal dairy calves. 異なるIgGレベルの移行期代用乳が新生子牛の成長とパフォーマンスに及ぼす影響
K. Shimada*1,2, R. Harada2, H. Sato3, R. Fukumori3, M. A. Steele1, and K.Izumi3, 1University of Guelph, Guelph, ON, Canada, 2The National Federation of Dairy Co-operative Associations (ZEN-RAKU-REN),Tokyo, Japan, 3Rakuno Gakuen University, Ebetsu, Hokkaido, Japan
一言で言うと、生後1-5日齢に給与する移行乳代用乳はIgG含量多いほうがその後の増体⤴(今回の試験区は最大が24g/Lでそれが最も良かった)
●研究の目的:移行乳のIgGレベルの影響について調査
●研究デザイン:ホルスタイン新生子牛48頭を移行乳代用乳のIgGレベル、3群:①Con群(TRにIgG不含)、②Mid群(TR中にIgG 12 g/L)、③High群(TR中にIgG 24 g/L)に分け、初回初乳給与8時間後から給与開始した。生後1~5日まで試験飼料を1日2回(粉末換算で4.9 L/日、0.816 kg/日)給与し、 6日齢からは同じ代用乳を56日齢まで給与した。
●結果と考察:
離乳までの調査で、子牛の健康スコア、飼料効率に群間の差はなかった。
増体は、概ね同様であったが56~65日齢のADGはHigh群が高かった(Con群:1.07 ± 0.08 kg/d、Mid群:1.08 ± 0.08 kg/d、High群:1.33 ± 0.08 kg/d)
👉24 g IgG/Lを含む移行期代用乳が離乳後の子牛の成長にポジティブな影響を与えることを示唆
●私が思った事:
ADGが高まったのがなぜ離乳後なんだろう…哺乳初期などにも影響は出そうだし、既報では哺乳中の増体が高まるという報告もあったけど…。全酪連、ゲルフ大、酪農学園の共同研究だけど、試験をした牧場がめちゃくちゃ環境が良くて、差が出づらかった、とか…?!?!どこでやったんだろ!健康スコアに差は無しということだけど、下痢とか全く無かったのかな…。
・タイトル:2155 Impact of casein addition in colostrum replacer on neonatal calf serum immunoglobulin G concentration and dynamics.
J.M. V. Pereira1, G. Mazon1, J. V. R. Lovatti1, E. V. Lopez-Bondarchuk1,A. J. Geiger2, and J. H. C. Costa*1, 1Department of Animal and Veterinary Sciences, University of Vermont, Burlington, VT, 2Zinpro Corporation, Eden Prairie, MN.
初乳代用乳へのカゼインの添加が新生子牛の血清免疫グロブリンG濃度および動態に与える影響
一言で言うと、(カゼインと脂肪を除去した)初乳代用乳※にカゼインを加えると、IgGの吸収量が減る
●研究の目的:初乳代用乳※中のカゼインが新生子牛の血清IgG濃度動態に与える影響を評価すること
●研究デザイン:ホルスタイン・アンガス子牛(n = 72 [24/群]; 45.3 ± 5.9 kg)を、出生時に3群にランダムに割り当て:①初乳代用乳※:CR-C(IgG 85 g/L;Premolac Plus、Zinpro)、②初乳代用乳(IgG 85 g/L;Premolac Plus、Zinpro + カゼイン 95 g/L):CR+C、③親の初乳:MC(85g/L)
子牛は出生後3.1 ± 0.2時間にストマック給与で3.7 Lの溶液を給与、溶液には総IgG 300 gが含まれた。
血清中のIgG濃度(g/L)、最大IgG濃度(g/L;Cmax)、最大IgG濃度到達時間(h;Tmax)、IgGの曲線下面積(AUC)、およびIgGの apparent persistency(%;AIP)を算出した。混合線形モデルを用いて、初乳投与がCmax、Tmax、AUC、およびAIPに与える影響を評価した。
●結果と考察:CR+C群のCmaxはCR-C群に比べて低下(CR-C = 29.5 ± 1.3a、CR+C = 21.1 ± 1.3b、MC = 26.2 ± 1.4a g/L;P < 0.01)。
AUCもCR+C群がCR-C群・MC処理群よりも低かった。
Tmax、AIPは試験区間で差は無し。
👉カゼインが新生子牛の最大IgG濃度と総AUCに影響を与えることを示唆。
●私が思った事:気を付けて!今回の、初乳代用乳※っていうのはWPC主体のもの。Zinpro® Premolac® Plus from Zinpro® 今回の試験に使った初乳代用乳はジンプロ社のプレモラックというもので、脂肪とカゼインを除去しIgGの含まれるホエイ分画を濃縮したもの、と説明があります。
WPC主体の初乳代用乳 VS 初乳そのままの初乳代用乳 戦争。長らく戦時中だよね・・・
今回の製品はWPC主体の初乳代用乳にカゼインをお足したら、良くなかったよってことですけど。執念がすごいわ‥‥
個人的には、カゼイン有り無しはケースバイケースでどっちを選ぶべきかは異なると思う。基本は、親の初乳をパスチャライズして給与すればIgGがカゼイン無より多少低くてもええやんけ…って思う。
・タイトル:2156 Effects of fat content of high-protein milk replacer on insulin sensitivity in dairy calves.
高タンパク質代用乳の脂肪含有量が乳用子牛のインスリン感受性に与える影響
R. Fukami*1, N. Kobayashi2, K.Murayama2, M. Oba3, and T. Sugino1,
1The Research Center for Animal Science, Graduate School of Integrated Science for Life, Hiroshima University, Higashi-Hiroshima, Japan,
2Dairy Technology Research Institute, The National Federation of Dairy Co-operative Associations
(ZEN-RAKU-REN), Nishi-shirakawa, Fukushima, Japan,
3Department of Agricultural, Food and Nutritional Science, University of Alberta, Edmonton, AB, Canada.
一言で言うと、高蛋白代用乳の脂肪含量が高いほど、離乳前のインスリン感受性は低下
●研究の目的:高タンパク質代用乳の脂肪含量がホルスタイン子牛のインスリン感受性に与える影響を評価
●研究デザイン:ホル雌42頭を3種類の代用乳に割り当て:すべての代用乳は乾物96%、粗タンパク質29%
①脂肪20.4%、乳糖41%、ME4.7 Mcal/kg(LF;n = 14)
② 脂肪26.2%、乳糖36%、ME 5.0 Mcal/kg(MF;n = 14)
③脂肪31.8%、乳糖31%、ME 5.3 Mcal/kg(HF;n = 14)
哺乳量は粉で7~13日齢/600 g/日、14日~20日齢/800 g/日、 21日~41日齢/1,200 g/日、42日~48日齢/800 g/日、49日~55日齢/600 g/日👉56日齢/離乳
インスリン感受性は以下の式に従って算出:
インスリン抵抗性評価モデル(HR)= 血漿インスリン(µIU/mL)× 血漿グルコース(mmol/L) / 22.5
改訂定量インスリン感受性指数(RQ)= 1 / [血漿グルコース(mg/dl)の対数 + 血漿インスリン(µIU/mL)の対数 + 血漿脂肪酸(mmol/L)の対数]
HR値が高いまたはRQ値が低いこと👉インスリン感受性の低下を示す。
●結果と考察:BUN濃度は、代用乳脂肪含量が増加するにつれ線形に減少(P < 0.05)、
代用乳の脂肪含量が増加するにつれ、22日から56日齢までのHRは線形に増加(P < 0.05)、43日から56日齢までのRQは線形に減少(P < 0.05)した。
👉高蛋白代用乳の脂肪含量が高いほど、乳用子牛の窒素効率は向上するが、離乳前のインスリン感受性は低下することを示唆している。
●私が思った事:ほ、哺乳子牛のインスリン抵抗性って、哺乳量の影響(哺乳量が多いとインスリン抵抗性が高まる)しか読んだことなかった気がするんだけど…脂肪が関係してるんだ?!RQってやつがよくわからない。
哺乳子牛は大量の代用乳を飲むと大量の乳糖と脂肪を摂取すると、高血糖・高インスリン血症👉インスリン抵抗性を示す可能性がある👉ヒトの研究では炎症性ストレスや代謝疾患、肝脂肪症を引き起こす可能性が示唆されている…現状、まだよくわかってないのかな。
代用乳多給によるインスリン抵抗性の影響って、一部の学者は関係ないって言ってたり、いや、ある、って言ってたり。うーん、よくわからん。
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