こんばんは、いや、寒いですね・・・
これ子牛じゃなくても調子狂うわ・・・と思っていたらhoard’s dairymanのウェビナーがちょうど子牛の寒冷対策だったので、見てみました。
しかも、Dr. Sarahに聞いたらスクリーンショットとか資料、ブログに載せても好きに使ってくれてOK、ということだったので、今回はセミナー内容を資料付きでご紹介します。
ということでまず今回のセミナーのリンク
Caring for calves in cold weather – YouTube
Caring for calves in cold weather (hoards.com)
それでは以下内容について私の雑な解説でお伝えします。
寒冷ストレスってそもそも・・・??
何度から感じるの?というと大体15度。思ったより高いですよね。

暑さだけではなく寒冷も、子牛の疾病罹患率に大きく影響する
疾病罹患率に影響する主な要因は、出生時体重、血清IgG濃度、離乳前のTHI(温度と湿度)、換気方法
死亡率に影響する主な要因は出生時体重、血清IgG濃度、ミルクの脂肪の量、疾病罹患率
エネルギー不足=脂肪の量の不足、で死ぬ、とこまで影響する
カロリー大事!!!

じゃあどんな対策ができる?
かというと主にこの4つ。
新生子牛のマネジメント、初乳、それから栄養、環境!基本的な飼養管理、全部じゃん、、、
そう全方位対策が必要なのです!!!

①新生子牛マネジメント とにかく乾かせ~~~クリーン&ドライ命
とにかく濡れてると体温下がる・・・!!から、とにかく乾かすこと大事!!!
・濡れた子牛と乾いた子牛のサーモグラフィ画像を比較すると濡れた子牛は先端が色が薄く、温度を持ってかれてる
・しっかり乾かすこと、体温を保持するためにとても大切

②新生子牛マネジメント 初乳は免疫だけじゃない!高脂肪で超エネルギーにもなる!!!
でもって、覚えておいてほしいのが、生まれたてほやほやの子牛は!寒いのに!対応できるほど!脂肪を持ってない!し、表面積だけは大きいのに体重はそんなにないから、熱を保持するのが難しいし!!とにかく子牛の人生の中で一番寒さに弱くて、自分を保温する能力すらまだない!!んです。
・褐色脂肪細胞あるけど少ない
・体表面積が多いのに体重は少ないから外気温が低いと非常に影響を受ける
かつ、難産で生まれたりすると、より一層自分を暖める能力が低下することが分かっている( 難産だった子牛は熱産生機構一部低くその能力は36%通常子牛より低下という報告)ので、そのへん念頭に置いてケアしてあげてください。
それから、初乳は免疫のためだけじゃない!脂肪も高濃度、最適なエネルギー補給になるし、生理機能も上がる↑↑超大事!!

ってことで、とにもかくにも、乾かすことが大事。
・濡れたままはいいことない、立つのも遅くなるし初乳も飲み悪い
・毛が乾けばふかふかでめちゃ暖まる
乾かす方法は1)カーフウォーマー 2)お風呂 のふたつ。風呂のほうが即効性がある。

③栄養面から エネルギー増給して
寒いと体温を維持するだけでめちゃくちゃエネルギー使う。エネルギーの使う順番は、まずは体温の維持、免疫、ストレスに対抗する。維持に使って残った分を、成長に使う。
だから夏も冬も同じ代用乳給与量、とかだと、夏より成長は遅くなる!

イメージしてみて、これくらい寒いだけでエネルギーを使っちゃう。15度の時と-18度の時、比べると体を維持するだけのエネルギー82%増加ってほぼ倍増!

この寒さの成長への影響は、その時の単発の影響でなくその後の泌乳成績にも影響することが分かっています。影響大きいなぁ・・・

じゃあどうしたらいい?大体はミルクを増やす人が多いかな、でもミルクを増やす、だけじゃなくて、ミルクのスペックを冬だけ高脂肪のものに変える、とか、脂肪を添加する、というのも選択肢としてあり!!

あとは基本だけと調乳するときのお湯の温度もきちんとモニターしてみて、&子牛が飲むときの温度もしっかりモニターして、最後の子牛にミルクを配るときその温度は何度になってる?冷えてない?
いまいちど、確認してみよう
・調乳時のお湯の温度
・子牛が飲むときのミルクの温度
・最初の子牛~最後の子牛に配るまで、ミルクの温度は子牛の体温より低くなっていないだろうか?

特に3週齢以下の子牛には温水給与も効果的。水はスターターの摂取量の約4倍飲むので、小さい子牛にはぜひ温水をあげて。
お湯有効
・スターター食うには水を飲んでナンボ
・スターター摂取量は飲水量に依存
・スターターの4倍量水を飲む

④最後は環境 換気と保温

これもクリーン&ドライ命!ふかふか、あったかー-いベッドにしてあげて・・・
敷料は7cm
・寝てる子牛の四肢が見えないの理想
・寒冷には環境面、特に敷料大切 ・ふかふか麦稈最高!
・ネスティングスコア3、四肢が見えないくらいふかふかにして

床暖かくして !!
・子牛の熱損失を最小限に抑える管理が必要
・敷料が濡れてるとか論外、クリーン&ドライ!
・なぜなら床にも温度は奪われていて、それが冷たいコンクリだったらなおいっそう体温もってかれちゃう
なぜなら、子牛の寝床には子牛の体温が伝わる。床と温度のやり取りが発生するため、もし床が湿っていて冷たければ?もちろんその分子牛の熱が奪われる。

子牛の敷料ふかふか具合はスコア3を目指して。

スコア3だと肺炎も少ない。保温、めっちゃ大事。

最後にジャケットも超有効。ネスティングスコアで+1くらいの効果あり。

ということで、あなたの牧場では何か冬の子牛の成長を妨げる要因になっているか?もっと出来ることはないか?というまとめでした!

以下、わたしの個人的コメント
カーフウォーマー。これ超いいですよね。
海外産の図にもあった青いやつ、これはでかくてごつい重いけど2頭くらい全然入れれるし入れている牧場さんもある。日本製は安いけど、海外製よりちゃちい、けど十分使える、けど2頭はきついかな、ってとこで、各牧場にあったものを使えばよいと思います。とにかくカーフウォーマーは一家に一台!ですよね。子牛、人が拭くのってめちゃくちゃ大変だし、きちんと乾かすのはすごいメンドクサイ・・・から、絶対これ、カーフウォーマー!おすすめ。
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