以下は、Calf Note #239 – Amino acids for calves, Part 2 – Amino acids in CMR – Calf Notes.com を翻訳したものです。原文著者Dr. Jim Quigley の許可を得て日本語訳を掲載しています。
概略:各代用乳原料のアミノ酸組成について
これは餌屋しか興味ないでしょう・・・
以下本文
はじめに
Calf Note #238 では、子牛のアミノ酸供給量を予測することの複雑さ、特に子牛が単胃消化から反芻胃発酵・消化に移行する時期(通常、離乳前後)の複雑さについて述べました。
この移行期には、アミノ酸の供給源に変化が生じます。
つまり、生後間もない頃のアミノ酸は乳タンパク質のみから供給されますが、離乳後数週間までには、子牛のアミノ酸供給は、ルーメンから流れ出る未分解の飼料タンパク質と微生物タンパク質の混合物でまかなわれるようになるのです。
この Calf Note では、代用乳を構成する原材料のアミノ酸組成と全乳のアミノ酸組成を概説します。
牛乳のアミノ酸
全乳は子牛にとって「最適」な栄養源と考えられており、その優れたAA組成は維持と成長に必要なAAを満たしています。 実際、多くの代用乳(CMR)メーカーは、牛乳のアミノ酸組成をテンプレートとして使用しています。
代用乳原料のアミノ酸
発表された文献(査読のあるもの、ないもの)を簡単に調べて、世界中の代用乳に使われているいくつかの原料のAAプロファイルの報告例をまとめてみました。
表1〜5は、それぞれ牛乳、ホエー、大豆、エンドウ豆、小麦タンパク質のAAプロファイルを示したものです。 例えば、大豆粉や濃縮大豆たん白は、絶対的なAAプロファイルは異なるが、CPのパーセントで表すと値は類似しており、たんぱく質のAAプロファイルを反映しています。
Table 1. Essential amino acid composition (g/100 g CP) of milk proteins1 from selected literature references. 生乳のアミノ酸組成~

Table 2. Essential amino acid composition (g/100 g CP) of whey proteins1 from selected literature references. ホエイプロテインのアミノ酸組成~

Table 3. Essential amino acid composition (g/100 g CP) of soybean proteins1 used in calf milk replacers from selected literature references. 大豆蛋白のアミノ酸組成~

Table 4. Essential amino acid composition (g/100 g CP) of pea proteins1 used in calf milk replacers from selected literature references.エンドウ豆のアミノ酸組成~

Table 5. Essential amino acid composition (g/100 g CP) of wheat gluten proteins used in calf milk replacers from selected literature references. 小麦グルテン蛋白のアミノ酸組成~

AAにおけるタンパク源間の違いは、図1に明確に示されています。

表1〜表5の代用乳のタンパク質原料に含まれる各必須アミノ酸(EAA)の平均濃度を示しています。
多くのEAAが欠乏しているが、特にリジンとメチオニンの欠乏が重要です。 例えば、小麦のリジン含有量はタンパク質の2%ですが、牛乳や乳清は8〜9%です。
代用乳に植物性タンパク源を使用する場合は、ほとんどのメーカーがリジンとメチオニンを補うことになります。
代用乳の配合と代用乳中のAAの目標値については、今後のCalf Noteで見ていきたいと思います。
一般的に、代用乳に使用される原材料のAAとEAAのプロファイルは一定していますが、ばらつきがあります。 例えば、Maganら(2019)は、牛が摂取した餌の種類が、生産される牛乳のAAプロファイルに影響すると報告しています。
また、当然のことながら、原料の加工方法は消化率に大きな影響を及ぼします。
乾燥工程で高熱にさらされたり、ある程度の焦げがあったりする原料は、高品質の原料よりも消化率が低くなります。 したがって、高品質の原料の安定した供給源を見つけることが不可欠です。
Calf Note #33で代用乳の品質に関するいくつかの側面について簡単に説明したことがあります。
大豆粉のような植物性原料には、AAプロファイルの他に、消化を妨げたり、動物にアレルギー反応を引き起こす可能性のある成分が含まれているものがあります。 これらの成分は、代用乳に使用する前に、追加処理によって除去する必要があります。これらの成分は通常、濃縮大豆タンパクのような原材料が75%以上のCPである場合に除去されます。
加水分解小麦グルテンのような高度に処理された原料は、消化率が高く、代用乳での使用を制限するような抗栄養素を含んでいません。
牛乳や代用乳から供給されるアミノ酸の計算方法の一例を紹介します。
全乳6L×CP3.4%×リジンとしてのCP7.9%=リジン16g/日。
ホエー蛋白のみでCP20%の固形分12.5%の代用乳6L=6000×固形分12.5%×CP21.1%(乾燥ベース)×リジンとしてのCP8.8%=14g/日のリジンが供給されます。
この差は1日あたりわずか2gですが、代用乳を与えることで全乳中のリジンの14÷16=87.5%が摂取できるため、重要なポイントになると思われます。
本文以上
代用乳原料に脱脂粉乳があがってこないのがアメリカって感じでしょうか。まぁ脱脂粉乳の部分は、生乳のアミノ酸組成のところを見ればいいのかな。
今回メインに紹介されていた各原料のアミノ酸組成なんて、餌屋以外興味ないでしょう。笑
基本的にはアメリカの代用乳はチーズを作った残渣のホエー主体なので、All milk proteinと記載されていても、脱脂粉乳を使うことがないそうです。全部ホエー主体、そこで、ホエー主体だとカード形成しないので、下痢の原因になるんではないか、消化率が落ちるのではないか、という議論がアメリカでは起きていたようですが色々な文献を総合すると、ホエーのみでカード形成せずとも下痢の要因にはならない、というというのが現在の共通認識のようです。
(ただしもちろんアメリカでもメーカーによっては、カード形成を促すため脱脂粉乳を入れているメーカーもあるようです。)
そういったアメリカの事情があり、今回も代用乳原料のアミノ酸の表の中に入ってこなかったのかなと。むしろ、植物性蛋白源を使うケースは日本よりも多いような印象です。エンドウ豆とか日本で使っている製品見たことないですよね。
日本は、他の国でまず脱脂粉乳なり、ホエーなり、濃縮ホエーなり、全て熱をかけて粉末化したものを輸入して、それをまた工場であれやこれや加工して、ものすっごー------く、コストも手間暇もかけていますよね。
今のところ、文献上での子牛のアミノ酸関係の報告は、リジンメチオニンが多いですが、本当最近は色々子牛でのアミノ酸要求量はだんだん色々データが出てきているので、子牛のほうもおいおいもう少し緻密なアミノ酸設計されていくんではないかと思います。ミルクだとバイパスアミノ酸使わずともアミノ酸設計できるしね。
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