哺育の牛への水の重要性、一番安価で重要な栄養素で生後3日目から目の前に置くべき!
そこでたまに話題になるこれ、ミルク給与後30分は食道溝反射が残っているから水を置いちゃダメ!ってやつ。哺育担当者ならめんどくさくて、30分後にもう1回来て水やりなんかやれるかいボケって思いますよね。哺乳終わったらすぐ、スターターと水取り換えて、哺乳作業、さっさと終わりにしたいよね?!ってことで、私は、バケツで水をあげており、哺乳量が十分であれば、関係無いって思ってます。
まず第2胃溝反射がそんな哺乳何分後まで残っている、という性質のものなのか、というのが疑問1点、それからもし第4胃に入っていたとして、多少ミルクが水で薄まってもそれが牛に対してそこまで弊害が出ると思えないのが疑問2点目。
そもそも、このミルク給与後●分間、水を上げちゃダメ、4胃に入って薄まっちゃうから、っていうのは本当なのか、科学的裏付けがあるのか、調べてみたいと思います。
国内の報告
子牛の晴乳期における給水の有無が発育・採食性に及ぼす影響、という長野県畜産試験場の報告。「要約 哺乳期子牛に代用乳に加えて水を自由飲水させると、代用乳のみ給与した場合に比べ乾物摂取量が多くなり、増体が優れる。」
という事なのだけど…
「本方法において注意すべき点は、乳を与えてから最低でも 30分あけてから新鮮水を与えることである。これは、哺乳後約 30分間は食動溝反射が残っているので、水を給与すると第4胃へ流入してしまうためである(前之園ら 2011)」
2030891896.pdf (affrc.go.jp)
来た来たーー!早速、来ました。
さて、引用元の前之園、2011を見てみましょう!
ただし、代用乳を与えた後 30分間経てから水を与えるように指導されている。これは,哺乳後約 30分間は食道溝反射が残っているので、水を給与すると第4胃内へ流入してしまう。また,子牛はミルクを飲みたくて水を誤ってガブ飲みする可能性があるので注意する必要がある。
2010811324.pdf (affrc.go.jp)
と書いてあり、明確な根拠などは載っていない。。。あのさ、、わたし、こんなんじゃ納得できない…。30分って何?!その根拠は?!レントゲン写真とかで第2胃溝反射が残ってて4胃に流入してる画像とか無いんか?!って思っちゃう…。
海外のエクステンション①
ミネソタ大学のエクステンション担当のJim Salferは、冬場の水給与を「ミルクをあげてすぐ暖かい水をあげて、10分後に取り除く(凍結を防ぐため)」を推奨するとbovine veterinarianという雑誌に2020.4に記載あります。
University of Minnesota Dairy Extension Educator Jim Salfer offers the following advice for winter water feeding:
• Offer warm water immediately after calves are finished with their milk; empty pails after 10 minutes to prevent from freezing.
Why Calves Need Water In Winter | Bovine Veterinarian (bovinevetonline.com)
海外エクステンション②
Dairy Herd Management より。Provimiの子牛の研究者Tana Deniss曰く、「哺乳ボトルで水を給与する場合、第2胃食道溝が閉じ水がルーメンに入るようにするためミルクを与えてから少なくとも 15~20 分後に水を与える」
Based on their findings, Provimi dairy calf researcher Tana Dennis offered this advice for bottle-feeding water in cold conditions:Provide water via nipple bottle at a temperature close to rumen/body temperature: 100-105°F.
Bottle Beats the Bucket in Providing Winter Water | Dairy Herd
Offer water at least 15-20 minutes after milk feeding to ensure the esophageal groove is closed and the water goes into the rumen.
なるほど。乳首付きのボトルで水を給与する場合、のみ注意としています。
海外エクステンション③
Calf Starという子牛ケア関連資材を扱う販売店のHP
「ミルクを与えた直後に水を飲んだ場合、食道溝はまだ閉じている(反応する)可能性があります。そのため、水がルーメンではなく直接第四胃に入る。このようなことが定期的に起こると、スターターの摂取とルーメンの発育が遅れる可能性があります。」
When water is consumed immediately after milk feeding, the esophageal groove may still be closed. This causes water to directly enter the abomasum rather than the rumen. If this happens on a regular basis, starter intake and rumen development may be delayed.
意外と初めて、第2胃溝反射が残っていて、水が4胃に入ってしまうことの弊害をきちんと書いているものがありました。4胃に水が入る弊害というより、1胃に入るべきものが入らなくて生じる弊害という感じですね。
文献①
2019のJDSでのホル雌へ生後0日 vs 生後17日齢から水をあげる、試験の報告。この時の水のやり方は常時、バケツに水を入れ、自由飲水可能としたとのこと。ミルク給与後30分に水を給与したみたいな記載は一切ありません。
生後 5 ヵ月まで追跡したところ、W0(0日齢から水給与) の子牛の体重は W17(17日齢から水給与) の子牛よりも大きかった。出生直後から水を与えることで、離乳前後の子牛の成長と発育を改善できる可能性がある。
Drinking water intake of newborn dairy calves and its effects on feed intake, growth performance, health status, and nutrient digestibility – ScienceDirect
現状、ここまで調べた限りでは
「哺乳乳首のついたバケツ」で水を哺乳する場合のみ哺乳直後に水を給与しない、方が良いのではないかと思われ、それ以外のただのバケツで水を給与している場合は、厳密に気を付ける必要はなく自由飲水で良いのではないかと思われました。
と調べていくと、水に関連した報告はパッと見当たらないものの、第2胃溝反射についてレントゲンやカニューレで調べた報告が出てきて面白い。次はここを深堀してみよう!
第2胃溝反射についてレントゲンで撮ったりした報告がないのか探したらいくつか見つかってそれはそれで面白い👇冷たいミルクで第2胃溝反射はきちんと起きるのか?!
第1胃にカニューレをつけて第2胃溝反射を触診!している報告👇

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