ADSA2023 -vol4-

Abstracts_BOOK_2023.pdf (adsa.org)

まだまだいきます!Ruminant Nutrition 4: Calves and Heifers 2回目!

あけましておめでとうございます。今年も一生懸命牛を極めていきたいと思います!!


・タイトル 2472 Prepartum CLA supplementation modulates dams’ colostrum composition and calves’ performance.

C. L. Cardoso1, E. Raffrenato2,3, F. Righi4, and G. Esposito*2,4, 1Department of Production Animal, Faculty of Veterinary Science, University of Pretoria, Onderstepoort-Pretoria, South Africa, 2 Department of Animal Sciences,Stellenbosch University, Stellenbosch, South Africa, 3
Department of Comparative Biomedicine and Nutrition, University of Padova, Padova, Italy, 4 Department of Veterinary Medicine, University of Parma, Parma, Italy.

一言で言うと、乾乳牛へのCLA給与で生後1か月までの子牛の増体アップ↑

●研究の目的:

共役リノール酸(CLA)の給与は、ラットの免疫グロブリン(Ig)産生を増加させ、牛の血中 IGF-I 濃度を上昇させると報告されている。本研究の目的は、CLA を母牛に給与し、初乳と移行乳(CT ミルク)の品質、子牛の IgG レベルと成長に及ぼす影響を評価すること。

●研究デザイン:

ホルスタイン種乾乳牛40頭を、対照群(CTL、Ca塩100g/頭/日+糖蜜100g)とCLA群(CLA100g/頭/日+糖蜜10g)の2群に無作為に割り当て、各試験区のサプリメントを分娩の 20±7 日前から分娩後 5 日前まで、トップドレス給餌。

子牛には出生日~生後 4 日まで母牛の CT ミルクを個別に給与した。

●結果と考察:

CLA 群の初乳では脂肪率が低く、乳糖含量が高い傾向。CT乳中のC15:0・CLAの濃度が増加、C18:3、総n6 FAおよびn6:n3比は減少(P > 0.05)。

血中・初乳中のIgG濃度には群間差はなし。CLA群ではTP値の上昇傾向(P = 0.079)。

CLA子牛でADGの増加傾向、増体はCTLと比較し35日目まで高かった。

👉CLA給与母牛のCTミルクは子牛の成長に時間依存的な影響を及ぼすことが証明されたが、IgGレベルを変化させることはできなかった。子牛の成長を調節するCLAの作用機序を理解するためには、さらなる研究が必要である。

●私が思ったこと・・乾乳牛のベースのリノール酸給与量はどのくらいだったんだろう、また今回添加した共役リノール酸はどんな種類だったのか(何番目のの炭素鎖にシス、トランス結合しているのか?)、元のラットの文献のリノール酸はどんな種類だったのか、そこに鍵はないんだろうか。アブストだけだとその辺の背景がわからない。


・タイトル 2473 Zinc, copper, manganese, and iron balance in dairy calves fed a milk replacer or whole milk at two feeding allowances.

T.Chapelain*, J. B. Daniel, J. N. Wilms, L. N. Leal, and J. Martín-Tereso,
Trouw Nutrition R&D, Amersfoort, the Netherlands

一言で言うと、代用乳と全乳のミネラル濃度は結構違うけど牛の状態に差はなく、ミネラルバランス(吸収率?)は哺乳のステージそれぞれで結構違ってた。代用乳のミネラル設計はまだ研究が必要かも

●研究の目的:代用乳(MR)に含まれる微量ミネラルは、全乳(WM)に含まれる天然ミネラルの含有量を大きく上回っている。目的は、生後13週間の子牛にWMまたはMRを2種の給与量(L:4.5 L/d、H:9.0 L/d)で給与し、微量ミネラルバランスを定量化すること。

●研究デザイン:初乳投与を受けた新生ホルスタイン・フリージアン子牛 48 頭(2 ± 1.0 日齢、体重 45.0 ± 4.37 kg)を無作為に 4 試験区に分けた。MR は WM と同量の代謝エネルギー(3.4 MJ/L)が得られるよう、最終製品 169 g/L を給与した。

試験区それぞれの微量成分値亜鉛(mg/L)銅 (mg/L) マンガン (mg/L) 鉄 (mg/L)
全乳WM4.640.070.030.25
代用乳MR10.141.824.9512.19

子牛は 6 週目~10 週目まで徐々に離乳、13 週目まで調査した。2週目、4週目、5週目、7週目、9週目、11週目、13週目に、24時間の尿と糞便の完全採取を行った。

●結果と考察:

離乳前:Cu、Mn、Fe バランス:WM 子牛よりも MR 子牛の方が多かった(P < 0.01)。

哺乳量を増やしたとき:MR 子牛のCu・Fe バランスは増加、WM 子牛のCu・Fe バランスは増加せず(P < 0.01)。 WM 子牛の Zn バランスは増加した、MR 子牛の Zn バランスは減少。

離乳期:哺乳量を増やすと Zn、Cu、Mn(P < 0.01)、Fe(P = 0.08)バランスが低下。CuバランスはWM給与の子牛でさらに減少した(P = 0.04)が、ZnバランスはWMで増加(P < 0.01)。

離乳後:離乳前の微量ミネラルバランスは WM 子牛の方が低いが、下痢の発生や治療への影響は観察されず(P > 0.10)。


これらの結果からMR でミネラルの含有量を見直すためさらな る研究の必要性が浮き彫りになった。

●私が思ったこと・・Cu, Mn and Fe, balances were higher とかバランスって書いてあるんだけど、これってどういう意味なんだろ?どなたか分かる方コメントで教えてほしい。文脈的には、給与量を把握しており、かつ尿と糞を測定しているので、吸収率?かな…でもabsorptionとか全く書いてなくて全部balanceと書いてあった。

と、は別に代用乳のミネラルと全乳のミネラルの違いについては、特に代用乳多給が増えている中で、粉1kgあたりのmg量で設定されていることが多いので、給与量が鬼のように増えた場合でも(粉で2kg-3kgなど)ある程度代謝されるのだろうけど、銅などは肝臓に蓄積しないのか、など疑問に思っています。。。

子牛の新しいミネラル水準について知りたい人はこちら ジンプロ社のNASEM解説子牛動画が詳しく載っています。

NASEM2021での新しい子牛向けの微量ミネラル要求量 – Zinpro Japan

私は、ミネラルって、、、どうもあまり食欲わかないというか、、、いや当然大事と思うんですが、これが絶妙な鍵になる局面が少ないというか、なんか標準範囲内にあればそれでよいんじゃないかって感じなんですけど、どうなんですかね。。。


・タイトル 2474  Effect of the interaction of SCFA concentration and pH on health and hematology in cannulated Holstein dairy calves.
A. Wolfe*, M. Narciso, R. Uwiera, and A. Laarman, University of Alberta, Edmonton, Alberta, Canada.

一言で言うと、試験方法がよくわからない

●研究の目的:

子牛の離乳の準備にはルーメンの発達を最適化することが重要であるが、ルーメンの生理学的発達が子牛の健康やストレスに及ぼす影響は不明である。

本研究では、子牛の健康パラメータに対するルーメン内の短鎖脂肪酸(SCFA)濃度と pH、およびそれらの相互作用の影響を調査した。

●研究デザイン:ホルスタインの子牛(n = 32)をラバーマット上で個別に飼育、代用乳(CP 26%、脂肪 18%、最大 900g/d)を 1 日 2 回、カーフスターター(CP 18%)と水を自由摂取させた。生後 10±3 日で子牛にルーメンカニューレ装着を行った。

手術の1週間後、子牛を初期体重で分け、SCFA濃度(10対285mM)とpH(5.2対6.2)の2×2で無作為に4群に割り当てた:

① 低pH・低SCFA(LL)、②低pH・高SCFA(LH)、③高pH・低SCFA(HL)、④高pH・高SCFA(HH)

第 3 週、第 5 週、第 7 週に、子牛は 4 種の試験区のいずれかに該当する内容物を含む生理的緩衝液でルーメンを4時間洗浄された。ルーメン緩衝液は 開始4時間前にルーメンに添加し、ルーメンの pH を 1 時間ごとに測定した。

●結果と考察:(特に面白い結果少なかったのでちょっと端折ります)

・深部体温に有意差無し

・5 ~ 7 週目に、白血球数は LL 群で減少(P = 0.04)HL 群では増加(P = 0.04)

・Hb(P = 0.05)とHt%(P < 0.01)は、5週目および7週目にHL群で増加。


👉ルーメン環境は臨床的健康には影響しないが、血液学的マーカーには影響する。

●私が思ったこと・・試験方法、あまりよくわからなかった…一応英文も併記しておくので、日本語が変だったらどなたか教えて…

これって3,5,7週に緩衝液(SCFAとpHを低い群、高い群それぞれの濃度に設定)したものをルーメンカニューレした子牛に対してカニューレ越しにこの試験区ごとの緩衝液でウォッシュ(緩衝液を流し続けるの?)したってこと?? そして、フィールドでルーメンアシドーシスを血液から判定するのはやはり難しそう、、、白血球数に若干影響あるかもぐらい・・・?

試験方法 One week after surgery, calves were blocked by initial body weight and randomly assigned in a 2 × 2 factorial arrangement of treatments of SCFA concentration (10 vs. 285 mM) and pH (5.2 vs. 6.2), yielding 4 treatment groups: low pH, low SCFA (LL), low pH, high SCFA (LH), high pH, low SCFA (HL), and high pH, high SCFA (HH).

On wk 3, 5, and 7, calves underwent a 4-h washed reticulorumen procedure with a physiological buffer containing one of the 4 treatments. The ruminal buffers were added to the rumen at the beginning of the 4-h period and ruminal pH was measured hourly.


・タイトル 2475 Changes in microbial community and host transcriptome in the duodenum in newborn calves.

W. Li1, A. Larsen*2, and B.Murphy2, 1 US Dairy Forage Research Center, Madison, WI, 2 Oak Ridge Institute for Science and Education, Oak Ridge, TN.

一言で言うと、生後12時間~48時間の間にも小腸のマイクロバイオームはめちゃ変わっていて、それは小腸自身のバリアや発達にも寄与している可能性、またこれには初乳が大きく影響しているかも、やはり初乳偉大なり

●研究の目的:ヒトやマウスの研究から、小腸(SI)のマイクロバイオームが生後早期の免疫系の発達と成熟に重要な役割を果たすことが示されたが、新生仔牛のSIのマイクロバイオームについて調査した研究はほとんどない。

本研究では、全トランスクリプトームシークエンシングを用いて、出生後2日間の十二指腸における微生物群集の変化とそれに伴う宿主のトランスクリプトームの変化を調査した。

●研究デザイン:

8頭の子牛に出生時から低温殺菌した初乳を給与。 4 頭は生後 12 時間以内に安楽死、残りの子牛は生後 2 日目に安楽死(2d)。十二指腸組織を採取し、RNA配列決定を行った。

●結果と考察: 12hと2dの間で、282の遺伝子が有意に発現した。

2d発現が上昇した遺伝子(170遺伝子):細胞周期と細胞分裂に関連する分子経路(MP)に富んでいた。

2dで発現が低下した遺伝子(112遺伝子):アスパラギンリッチなタンパク質と糖タンパク質をコードする転写産物に富んでおり、両者ともバリア機能と腸の発達における役割が報告されている。

2dで発現が増加した属:牛の乳頭または牛乳で過去報告されたもので、子牛の小腸における微生物コロニー形成の促進に初乳給与が大きく寄与していることを示している。

これらの知見から、初乳給与は小腸のマイクロバイオームの構築と確立を目標とする効果的な方法である可能性が示された。

👉小腸内の微生物は宿主と広範に相互作用し、宿主の後腸の発達とバリア機能の成熟を促進する。

●私が思ったこと・・12時間と、48時間(2日)で初乳を飲ませて比べているけど、24時間で常乳に変えたときに48時間で比べると、また初乳給与区とは違う遺伝子発現をするのだろうか…気になる!!あとこの試験はパスチャした初乳をあげているけど、粉末初乳の場合だと、腸管の遺伝子発現が違ったりするのだろうか。

また48時間で腸のバリア機能と発達に関する遺伝子発現が低下したのは、生後間もなくにそれが発達して初乳給与有無関係なく、48時間では低下するんだろうか。それとも、初乳をあげてないと12時間時でもすでに発現が低くなるとかあるんだろうか。


・タイトル 2478 Long-term impacts of in utero heat stress on heifer feedefficiency and enteric gas emissions. K. A. Riesgraf*1, M. S. Akins2,J. Laporta1, and K. A. Weigel1, 1University of Wisconsin–Madison,Madison, WI, 2US Dairy Forage Research Center, Madison, WI.

一言で言うと、

●研究の目的: 子宮内熱ストレスを受けた未経産牛では、成長、飼料効率、メタン排出量に長期的な影響は見られなかった。

世界的な気候の変化に伴い、生産者は乾乳期の暑熱ストレスの増大が、母牛と生まれてくる子牛の成績と飼料効率に及ぼす影響する可能性があることがこれまでの研究で証明されている。泌乳牛の飼料効率に関する研究は既報の通りだが、成長期の未経産牛の飼料効率に関するデータは報告が少ない。

研究の目的は、子宮内の熱ストレスが未経産牛の成績と温室効果ガス排出に及ぼす長期的影響を評価すること。

●研究デザイン:

合計 38 頭の未経産牛を胎内(妊娠後期 56 日)に熱ストレス(HT; n = 17)または人工冷却(CL; n = 21)に割り振り、18 ~ 20 ヵ月齢で 63 日間の試験に組み込んだ。8 ± 1 日間グリーンフィード機(GF; C-Lock)にアクセスさせ、CH4 および CO2 ガスを測定した。

体重(BW)は-2、-1、0、61、62、63日目に測定し、1日平均増体量(ADG)の算出に用いた。

●結果と考察:

HT 未経産牛と CL 未経産牛の初期体重(lsmean ± SE;551 ± 8.6 kg、543 ± 7.8 kg;それぞれ P = 0.47)および最終体重(615 ± 10.1 kg、607 ± 9.1 kg;それぞれ P = 0.57)に差はなし。

DMI(HT:12.0±0.46kg、CL:12.0±0.46kg DM)およびADG(HT:1.00±0.04kg/d、CL:1.02±0.03kg/d)には、試験区の影響(P>0.1)は認められなかった。

メタン生成量、CO2 生成量、および GF への移動量は、処理群間で差がなかった(P > 0.5)。

👉子宮内熱ストレスを受けた未経産牛では、成長、飼料効率、メタン排出量に長期的な影響はないようであった

●私が思ったこと・・乾乳牛のヒートストレスって猫も杓子もとにかくその後に影響あるみたいなイメージでいました。が、育成牛の初産の分娩時には、自身の増体、飼料効率、には影響はないみたいです。

メタン測定に使われた機器はこちら C-Lock Inc. | GreenFeed – Measure Large Ruminant Emissions

人工冷却 artificial cooling がどんなものなのかも気になるところ。


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